青い青

犬と日常、英語も頑張る社会人

8-9月読書記録

すぐ忘れてしまうので、8-9月読んだ本について記録に残してみる。

 

「はじめての短歌」 穂村弘

はじめての短歌

8月の読書はここから。タイトル見てわかる通り、短歌ってええやんって思い、自分でも書いてみたいなと思ってとりあえず入門書っぽいものに手を出してみた。五七五七七というルールは知っていたものの、ほかに何かルールとかあるのかな、どういう思考回路でみんな短歌を詠んでるのかなと思っていたので、こういう短歌がいい短歌なんだというのが改悪例とともに載ってて参考になった。

特に「生きる」と「生きのびる」の違いが、最近仕事に追われている自分にぐさっと刺さった。「生きのびる」は社会的な枠にはまっていくこと、「生きる」は自分にとって価値あるものを探し心にとめるみたいなことなのかも。あんまりうまく言語化できないけど。

これだと、「生きのびる」ゲームが続いている間は、「生きる」実感がついてくる。でも、ずっと勝ち続けないと「生きる」ことにならない、という厳しさがある。負けたときどうするの?(はじめての短歌)

今の仕事は好きでやっていて、だから周りが辞めていっても続けていられるのかなと思っている。ただ段々「生きのびる」=仕事で成果を出して社会的に認められること=「生きる」=自分が生きている価値のような思考回路になりつつあり。あんまり健全な思考回路じゃないよな、じゃあ突然仕事ができなくなったらどうするの?と考えることもあったりして。今までもんやりとした考えだったけど、これって「生きのびる」と「生きる」を同一化しているからだよなと気づいた。短歌のハウツー的な本と思って読んだけど、思わぬ発見がありました。

 

「天才による凡人のための短歌教室」 木下龍也

天才による凡人のための短歌教室

こっちも前の本に引き続き、短歌の詠み方を学べるかなと思って買った本。「はじめての短歌」よりも実践的なハウツー本で、具体的にどうやってインプットして、どうやってアウトプットするのがよいかがわかる。

短歌は過ぎ去った愛を、言えなかった想いを、見逃していた風景を書くのに適している。それらを、あなたがあなた自身のために、あなたに似ただれかのために、結晶化しておくには最適な詩型だ。記憶の奥にある思い出せない思い出を書くことには最適なツールなのである。(天才による凡人のための短歌教室)

短歌がいいなと思ったのはなぜだろうとぼやっと考えていたけど、この文章を読んで、誰かの結晶化された想いが自分の思い出と出会って、共感や納得や驚異を生んだからかなと思った。

 

水上バス浅草行き」 岡本真帆

水上バス浅草行き

大好きな、傘もこんなにたくさんあるしと詠った岡本真帆さんの短歌集。この短歌をみたとき、こんな現代的な短歌があるんだと衝撃を受けた。たった31文字なのに、その表現できることの幅広さ、そしてこちらの想像力を掻き立てる余白の存在に驚いた。

この本の中で、社会的に価値のないものが生活を彩るようなことが書かれていて、本当にその通りだなと思った。仕事で嫌なことがあっても、ふと立ち寄ったコンビニで好きな限定スイーツが残っていたら気分が上がるし、帰り道に懐っこい犬を見たら嫌なことなんて忘れて早く家に帰って犬に会いたいなということしか考えられなくなる。そういう些細なことに生かされているのかなと思う。

 

「推し、燃ゆ」 宇佐見りん

推し、燃ゆ

人生の軸が自分以外ないし、1つしかないって怖いなと思った1冊。よく自立することは依存先を沢山持つことと言うけれど、それだけじゃなく何かを消費するだけじゃなくて生み出すことが仕事以外にないと人生きつくなってくるなと最近思う。それってクリエイティブ=想像しやすい、絵を描くとか文章を書くとかだけでなく、SNSで発信することとか、子育てとか、料理とか…何か自分でつくっていくことなんだけど、私は結構消費型でずっときたタイプなので、最近休みの日にぼーっとしてしまうことが多く…このブログもその一環として始めてみたのでこれが続いたらいいなと思う。

 

ほかにも読んだ本はあったけど、ちゃんと内容記録して覚えていたのはこのくらい。暑い暑いといっていたらあっという間に秋らしくなり、10月に入ってしまいました。あとの3か月も楽しく過ごしたい~